紫外線のこと

今年は外に出る機会が少なかった分、季節を感じることも少ないのではないでしょうか。

それでも気がつけば5月もあと少し。まだ少し朝晩の気温の低下はありますが、日中は25度を超える夏日の連続、紫外線がバンバン届いています。

紫外線をあびることでビタミンDが作られます。

インフルエンザやウイルス気道感染症の予防に、ビタミンDが有効であるという結果が報告されています。また、ビタミンDは、免疫を調節してアレルギー反応を抑えるなど、花粉症の症状を和らげることが知られています。といいことがいっぱいのビタミンDの生成に関わる紫外線。

その反面、紫外線は"四害線"とも呼ばれることもあり、光老化(しみ・しわ)、光発がん、光色素沈着、光アレルギーを引き起こす原因にもなります。 ただの日焼けだと油断していると、皮膚がんなどの重大な症状を見逃すことにもなりかねません。

とまあ、諸刃の剣(もろはのつるぎ)なわけです。過ぎたるは及ばざるが如し。バランスが大切ですね。

さてこの紫外線。目には見えません。人の目に見えるのは可視光線といって380nm~780nmの波長をもつ電磁波のこと。紫外線は目には見えません。いわば可視光線の外の波長をもちます。

紫外線は、波長の長さによってUVA(紫外線A波)、UVB(紫外線B波)、UVC(紫外線C波)の3つに分けられます。UVCはオゾン層に吸収されるため、地表には届きません。私たちの肌に悪影響をもたらすのは、UVAとUVBの2つです。

地表に降り注ぐ紫外線の約9割を占めるのがUVA。波長が長く、雲や家の中・車の窓ガラスも透過して肌にも到達するため「生活紫外線」とも呼ばれます。UVAを浴びると、肌はゆっくりと黒くなり、シワやたるみを引き起こします。
波長が短いのがUVB。屋外での日焼けの主な原因となるため「レジャー紫外線」とも呼ばれます。たくさん浴びてしまうとすぐに赤く炎症を起こし、メラニンをつくらせ、シミや色素沈着の原因になります。

UVAは波長が長いために、美しく健やかな肌の源である真皮層にまで到達。ハリや弾力を生むコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸をつくりだす線維芽細胞を傷つけてしまいます。そのため、UVAを浴びてしまうと、肌は弾力を失い、シワやたるみといった見た目の印象を大きく左右する肌悩みを引き起こしてしまうのです。

対してUVBは、波長が短いために真皮には到達しませんが、表皮にさまざまなダメージをもたらします。ヤケドをしたように肌を赤く炎症させるサンバーンや、メラニン色素が沈着して肌を黒くするサンタン、シミやそばかすの原因になります。

では日焼け止めを使うことにしましょう。日焼け止めの中の紫外線吸収剤や紫外線散乱剤という言葉を耳にされたことがあると思います。

紫外線吸収剤は、化学的な仕組みでエネルギーを吸収し、熱などのエネルギーに変換して紫外線が皮膚の細胞に浸透するのを防ぎます。 紫外線のエネルギーを吸収することから、敏感なお肌の方の中にはまれに刺激を感じる方もいます。

紫外線散乱剤は、物理的な仕組みで紫外線を散乱、反射させます。散乱剤(パウダー)が肌を均一に覆って紫外線を肌表面で反射、散乱させて紫外線の影響を防ぎます。単純にお肌の上で紫外線を跳ね返す(散乱)成分なので、刺激が少ないのが特長です。敏感肌・乾燥肌などのお肌の弱い方は、この紫外線散乱剤を使用した日やけ止めがおすすめです。


                   画像は花王株式会社のサイトよりお借りしました

とかく悪者とされている紫外線ですが、日焼け止めを上手に選んで使い、健康な皮膚を保ってください。

今回お伝えした紫外線、可視光線、波長・・・カラーの学び、美色コーディネイト講座に出てきます。

色が見えるためには光が必要ですからね。そんなことも学びます。

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